文学の心得

言葉について考え、想像力を育み、人生をより豊かに

村上春樹『職業としての小説家』35年間の作家生活について語った自伝的エッセイ

『職業としての小説家』は、村上春樹さんが書いた自伝的エッセイ。本書は出版社からの依頼で書き始めた文章ではない。少しずつ断片的に、テーマ別に書きためていたそうだ。本書のあとがきで村上春樹さんは、結果的に「自伝的エッセイ」という扱いを受けるこ…

小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』

本書の著者・小川さやかさんは、1978年生まれの文化人類学者で、専門はアフリカ研究。本書『チョンキンマンションのボスは知っている——アングラ経済の人類学』(春秋社)は、初版刊行が2019年7月。2020年度の第8回河合隼雄学芸賞および第51回大宅壮一ノンフ…

村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』世界を作り上げる大きな物語の、ごく微小な一部

村上春樹氏の著作『猫を棄てる 父親について語るとき』を読んだ。読みやすい文章で書かれているので、すらすらと一気に読み進めることができた。村上春樹氏はあとがきで、この文章で書きたかったことのひとつを挙げている。それは次のような内容だ。 戦争と…

筒井康隆氏のいう小説家の凄味とは

筒井康隆氏によれば、小説を書く覚悟を決めたときからそこには凄味があるそうだ。だから、小説に凄味がなくてはならないと言う必要もないのかもしれない、とも述べている。 小説を書こうと思い立つような人なら、自分しか表現できないものを持っている。その…

筒井康隆『創作の極意と掟』小説を書いてみたい人に捧げるエッセイ

『創作の極意と掟』(講談社)は、小説を書いてみたい人に捧げる、筒井康隆氏のエッセイだ。序言には「作家としての遺言」とも書かれている。この本には、ほぼ60年小説を書き続けてきた筒井康隆氏自身の経験と知恵が収められいる。文章読本や小説作法にも分…